Ⅲ.読解
次の文章を読んで後の問いに答えなさい。
地区で開かれた‘子供しつけ教室’に参加した時のことである。‘おこづかい帳はつけさせていますか’との問いかけに、心の中でほほ笑みたくなった。子供の金銭管理に話が及んだのだ。
我が家には‘お母さんの銀行’というものがある。
子供たちは中2の長女に、小6の長男、小5の次男だ。おこづかいは月千円程度だが、親類からのおこづかいやお年玉など臨時収入もあわせると月1万円近くになることもある。
現金をきちんと管理することは、大人でさえも難しい。( イ )一計を案じたのが‘銀行’だ。用意するものは、小さなメモ帳を入れた、ファスナー付の小さなクリアケースだけだ。
子供たちのおこづかいは全額、その中に入れ、専用の金庫の中に保管する。お金の出入りがあったら記帳。そこまでは普通だ。
我が家の‘銀行’の特別なところは、月初めに残高の1%に利子がつくことだ。残高がはっきりしないと利子はつかないので、子供たちは記帳を忘れない。私も子供たちの所持金を把握することができる。一石二鳥だ。そのうち利息がついてからお金を使う、なんていう知恵もついてくる。
小さいうちからの金銭教育は非常に重要だ、とよく言われる。‘やらなければ’なんて堅苦しく考えるよりは、工夫して楽しくできたらいいと思う。‘お母さんの銀行’、始めてみませんか。
質問
(1)( イ )にあてはまる接続詞を選びなさい。
a.そこで
b.ところが
c.また
d.ところで
(2)‘ほほ笑みたくなった’のはなぜですか。適切なものを選びなさい。
a.我が家には‘お母さんの銀行’があり、おこづかい帳をつける必要がないから。
b.中1と小5の子供には、まだおこづかいを与えていないから。
c.‘お母さんの銀行’は子供たちが進んでおこづかい帳をつけられるようになっているから。
d.我が家のおこづかい帳は、台所の引き出しに保管されているから。
(3)‘一石二鳥’とはここではどういう意味ですか。
a.残高がはっきりすると、月初めに利子がつく。
b.‘お母さん銀行’のおかげで、子供たちは記帳を忘れず母親も子供の所持金を把握できる。
c.こどものおこづかいが月1万円近くあることで、小さいうちから楽しんで金銭教育をできる。
d.‘お母さん銀行’のおかげで、利息がついてからお金を使うという知恵がつく。