第一章 语 音
一、语音和发音器官
1次の文章の( )中に入れる言葉を、あとのア~カから選んで記号で記入しなさい。
( )とは人間がコミュニケーションのために( )を使って発する音である。音声の中には、咳払いや舌打ちのようなものと「ココニイル」、「シマッタ」のようなものとがあり、前者を( )、後者を( )と言っている。両者の区別は主として、( )されて出来ているか否かによる。( )の研究対象は言語音である。
【答案】イ;オ;ウ;イ;カ;エ
2言語音の物理的要素である音高、音強、音長、音色はすべての言語において意味を区別する手段になるとは限らない。次の表のうち、それらの要素が意味区別の手段になると思う欄に○印を付けなさい。
【答案】
3次に挙げた音声記号は日本語の音を代表するものである。これらの音の有声・無声、調音点・調音者(調音位置)、調音法について調べてみなさい。
a k s t n h m j r w g z d b p
【答案】
a:有声、开元音・非圆唇音、低元音
k:無声、软口盖音、爆破音
s:無声、齿音、摩擦音
t:無声、齿龈音、爆破音
n:有声、齿龈音、鼻音
h:無声、喉音、摩擦音
m:有声、双唇音、鼻音
j:有声、硬口盖音、摩擦音
r:有声、齿龈音、弹音开元音
w:有声、双唇音、摩擦音
g:有声、软口盖音、爆破音
z:有声、齿音、摩擦音
d:有声、齿龈音、爆破音
b:有声、双唇音、爆破音
p:無声、双唇音、爆破音
二、单音
1母音と子音、母音と半母音とはどんな違いがあるか、説明しなさい。
【答案】発音する際に、息が発音器官に妨げられるかどうかことで、母音、子音と半母音を区別する。妨げらないのは母音で、妨げられるのは子音で、両者の間は半母音である。
2次の条件に基づいて日本語の母音を順番に並べなさい。
口腔の開き(大から小へ):
舌の高さ(高い位置から低い位置へ):
舌面の位置(前から奥へ):
【答案】
口腔の開き(大から小へ):ア→エ・オ→イ・ウ
舌の高さ(高い位置から低い位置へ):イ・ウ→エ・オ→ア
舌面の位置(前から奥へ):イ・エ→ア→ウ・オ
3次の問に答えなさい。
問一、タの子音[t]とダの子音[d]とは、発音の仕方がよく似ているが、違う点が一つある。それはどう言う点か、喉に手を当てて観察して見なさい。また、カ行子音[k]とガ行子音[g]、パ行の子音[p]とバ行の子音[b]とではどう違うか。
【答案】[t][k][p]は全部無声子音で、[d][g][b]は全部有声子音である。
問二、バ行の子音[b]とマ行の子音[m]とは、発音の仕方がよく似ているが、違う点はどこか。ダの子音[d]とナの子音[n]とではどうか。また、ガ行子音は、語頭にある時と語中にある時とどう違うか。
【答案】[b][d]ガ行子音語頭にある時は破裂音で、[m][n]ガ行子音語中にある時は鼻音である。
問三、タ•テ•卜の子音[t]とサ•ス.セ.ソの子音[s]とを比較して、調音法についてその違いを述べよ。
【答案】[t]は破裂音(鼻腔と口腔の双方の通気を同時に完全閉鎖するように、喉頭部または声門を閉鎖するか、あるいは口蓋帆を上げて鼻腔内を通る声道を閉鎖した上、口腔内の上下の調音器官を密着させて口腔内の声道も閉鎖することによって、閉鎖位置までの気圧を高め、その閉鎖を開放することによって発生する)で、[s]は摩擦音(調音する際、声道内に狭い隙間をつくり、空気がその狭めを通るときに噪音を発する)である。
問四、タ•テ•卜の子音[t]とチの子音[tʃ]、ツの子音[ts]とは、どう違うか。またダ•デ・ドの子音[d]とジの子音[ʤ]•ズの子音[dz]とは、どう違うか。
【答案】前者は破裂音で、後者は破擦音である。
4次の各組の仮名の発音について調音位置の違いを説明しなさい。
サ――シ・シャ・シュ・ショ
タ――チ・チャ・チュ・チョ――ツ
ナ――ニ・ニャ・ニュ・ニョ
ハ――ヒ・ヒャ・ヒュ・ヒョ――フ
ザ――ジ・ジャ・ジュ・ジョ
【答案】
サ――シ・シャ・シュ・ショ:歯と歯――舌端と歯茎後部
タ――チ・チャ・チュ・チョ――ツ:舌端と歯茎――舌端と歯茎後部――歯と歯
ナ――ニ・ニャ・ニュ・ニョ:舌端と歯茎――前舌と硬口蓋
ハ――ヒ・ヒャ・ヒュ・ヒョ――フ:声帯と声帯――前舌と硬口蓋――上唇と下唇
ザ――ジ・ジャ・ジュ・ジョ:舌端と歯茎――舌端と歯茎後部
5次の各組の――線を引いた仮名の発音について、語頭にある時と語中にある時の、子音の調音法の違いを説明しなさい。
①ざつおん——いざ
ずいぶん——ちず
ぜんぶ——いぜん
ぞくご——いぞん
②じぶん——いじわる
じゃがいも——これじゃ
じゅぎよう——ごじゅう
じょがいも——よじょうはん
③がいぶ——いがい
ぎかい——かいぎ
ぐうぜん——てんぐ
げしゅく——かんげい
④かべ——いか
きせつ——じき
たいせつ——いた
ちがい——みちばた
ぱたばた——いっぱい
ぴったり——いっぴつ
【答案】
①破擦音――摩擦音
②破擦音――摩擦音
③破裂音――鼻音
④破裂音――弾音
6次の中国語の漢字の発音と日本語の仮名の発音を対照し、口腔の開きの大小・舌の調音位置の高低と前後・円唇と非円唇・摩擦音があるかないかなどの面から、中国語と日本語の母音発音の違いについて考えなさい。
【答案】
7次の中国語の漢字の発音と日本語の仮名の発音を対照し、子音の調音位置について考えなさい。
【答案】
中国語における子音の[f]は唇歯音、[l]は歯茎音。
日本語における子音の[h]は喉音、[r]は歯茎音。
8次の中国語の漢字の発音と日本語の仮名(――線を引いた仮名)の発音を対照し、中国語の有気音と無気音の対立と日本語の有声音と無声音の対立について考えなさい。
【答案】
日本語においては、
有声音:母音、濁音、な、ま、や、ら、わの各行の音。
無声音:半濁音、清音。
一般的には、
有声音:声帯が振動している音。
無声音:声帯が振動していない音。
中国語においては、子音p、t、k、chは無声音のみで有声音は無い。これらには有気音(強く息を出す音)、無気音(弱い息の音)の区別がある。文字(ピンイン)としてb、d、g、jを使用するが、これらは有声音を表すのではなく、無気音を表す。例、p:有気音、b:無気音(カタカナで表せばどちらも「プ」)。
三、音素
1音声と音韻の違いについて述べなさい。
【答案】「音声」は人間がある意味を表すために音声器官を使って発するすべての音で、「音韻」は或る言語体系の中で同じ音だと見做されている音群である。
2タ行音(直音と拗音)は、ヘボン式ローマ字で書かれる時と訓令式で書かれる時とは、次のように違う。この二つ表記方式の違いから、言語音に関する見方の違いについて説明しなさい。
【答案】訓令式は日本語のかなと英語の文字とが、より厳密な一対一対応になっている。一方、ヘボン式のローマ字表記のほうが、実際の音を正確に推測しやすいのである。
3一つの音素でいくつかの単音を代表するのが普通である。場合によって、いくつかの音素で一つの単音を代表することがある。これについて例を挙げて説明しなさい。
【答案】例えば、カ・サ・ザ・タ・ナ・ハ行拗音。
4次の音素はどんな単音を代表するか、説明しなさい。
【答案】
5「つまる音(促音)」は、普通「っ」で書かれるが、実際の発音では一種ではない。それでは、どんな音が含まれるか、次の語例について説明しなさい。
いっかい:
いっぱい:
いっさい:
いっしつ:
いったん:
いっち:
【答案】
いっかい:[k]
いっぱい:[p]
いっさい:[s]
いっしつ:[ʃ]
いったん:[t]
いっち:[tʃ]
6「ン」の発音は、詳しく観察すると、「n·m·ŋ」の三種類に大別することができる。次の語例で「ン」の発音を観察し、「n·m·ŋ」の三種類に分けてみなさい。
「本・本の・本も・本が・本へ・本さ・本は」
n:
m:
ŋ:
【答案】
n:本・本の・本は
m:本も・本さ
ŋ:本が・本へ
四、音节
1日本人は、短歌・俳句・などを作るとき、促音・撥音・長音のような音をひとつの音節と数える。そのことから、日本人の音節意識について考えてみなさい。
【答案】
まず日本語の音節に関して、第一に挙げなくてはならないのは、典型的な拍が、「一子音+一母音」から出来ており非常に単純であるということである。それ以外では、「一子音+一半母音(j・w)+一母音」からなる拗音もあるが、これらから解るのは、日本語は母音で終わるという特徴を持つ言語だという事である。
しかし、特殊音素として撥音「ン」、促音「ッ」長音「―」の母音で終わらない拍もあり、それらも一拍と数えるという事も大事な特徴である。
この理由としては、日本は古代中国語から文字を習ったと同時に音韻の面でも影響を受け、よってこのような特殊音素も日本語に取り入れられたと考えられている。
そしてこのように中国から取り入れられた拍(モーラ)は、五つの母音と一四の子音(一般的とされる)、二つの半母音、三つの特殊音素が組み合わされた一一二の拍から構成されるようになる。
2次の各語の音節(拍)の数を数えてみなさい。
【答案】
一人:3
二度:2
三人:4
四日:3
九つ:4
二十日:5
北京:3
上海:4
昨日:3
今日:2
音韻論:6
十重二十重:5
3次に挙げたのは日本語の音節構造のパターンである。それぞれに例を挙げなさい。
①一つの母音音素:
②一つの特殊音素:
③一子音+一母音:
④一半母音+一母音:
⑤一子音+一半母音+一母音:
【答案】
①一つの母音音素:ア
②一つの特殊音素:ン
③一子音+一母音:カ
④一半母音+一母音:ヤ
⑤一子音+一半母音+一母音:キャ
4次の英語と日本語の外来語との対照を通じて、日本語の音節構造の特徴について述べなさい。
desk=デスク
strike=ストライキ•ストライク
street=ストリート
floppy=フロッビ
out=アウト
hold=ホールド
【答案】
①一つの音節に一つの母音しかない、また、母音が必ず一つ存在する。
②日本語の音節は大部分が母音で終わる。
③一つの音節に最多ひとつの子音がある。
④日本語の母音は、「あ」「い」「う」「え」「お」の5つある。音節構造は非常に簡単である。
5音節体系において直音と拗音を分けたことによって、一つの単音を二つの音素と見ることになる。このことについて例を挙げて説明しなさい。
【答案】拍(モーラ)は音素からみると、一つの母音からなるもの、一つの子音(または半母音)と一つの母音から成るもの(以上を直音と呼ぶ)、一つの子音と半母音と母音からなるもの(これを拗音と呼ぶ)を基本構造とする。
6中国語で言う「清音•濁音」と日本語で言う「清音•濁音」とは、一体どう違うか、調べてみなさい。
【答案】日本語では濁音と清音の対立、口と喉の動きのタイミング差による違いがあるのですが、中国語は、空気の強さによる違いを区別するのです。
7次の語例を通じて、促音とそのあとの音節との結合にどんな制約があるか、説明しなさい。また、外来語では、( )の中にある語のようにこの制約をやぶった場合があるが、これと同じ語例をさらにいくつか挙げなさい。
【答案】
促音のあとの音節は必ず子音音素/k,t,p,ʃ,s/だけの前に立つものである。
例:バッグ、スノッブ、スラッガー
8次の問に答えなさい。
問一、五十音図と「いろは歌」は大体同じ時期に成立し、「あめつち」はそれより早く成立したと、思われる理由について考えなさい。
【答案】それは「あめつち」で、「えのえを」という部分で「え」が二つあることから見られる。
問二、平安時代の五十音図に実際何種類の音節があったか、現在の五十音図とどこが違うかについて考えなさい。
【答案】
①50の異なった発音からなる。
②現代では、撥音の「ん」を末尾に示したり、濁音・半濁音・拗音の仮名を同様の行・段に配列して添えたりする。そして、ヤ行・ワ行も改編した。
問三、現代における五十音図の実用性について述べなさい。
【答案】
①日本語における各種の音韻変化や、活用形にみられる音韻交替を説明する表としてきわめて便利なものである;
②学校教育を中心として広く用いられている;
③仮名をすべて含んでいて体系的で記憶しやすいことから、辞典・名簿などで語の配列の基準(五十音順)として用いられている。
問四、現代日本語の音節の種類は、特殊音節の撥音•促音•長音とガ行鼻濁音の五つの音節を含めて考えれば、全部で幾つあるか、調べてみなさい。そして、中国語又は英語の音節の種類と比べてどんなことが言えるか、考えてみなさい。
【答案】120の音節を含めていると思う。
五、现代日语语流中的语音变化
1母音の無声化はどんな場合に起こるか、例を挙げて説明しなさい。
【答案】
①[k.s.ʃ.t.tʃ.ts.f.ç.ɸ.p]のような無声子音に挟まれた場合は無声化する。例えば、きく、しかるなど;
②無声子音に続く、言葉の終わりになる場合。例えば、えき、いつなど;
③無声子音に続く、促音の前に位置する場合。例えば、チッキン、すっかりなど。
2次の語のうち、ガ行音が鼻濁音に変わるものと変わらないものとがある。変わる語の番号に〇印を付けなさい。
1 ぎかい(議会)
2 かいぎ(会議)
3 ちゅうがく(中学)
4 せんもんがっこう(専門学校)
5 おがわ(小川)
6 おげんき(お元気)
7 ぐずぐず
8 くにぐに(国々)
9 イギリス
10 サングラス
11 じゆうごにん(十五人)
12 じゆうごや(十五夜)
【答案】
○印を付ける語は以下である。
会議、中学、イギリス、十五夜
3次の言葉の発音の変化を観察し、その変化の仕方について説明しなさい。
1 出発――シッパツ
2 読んでいる――ヨンデル
3 言っておく――イットク
4 いやだ—――ヤダ
5 この間――コナイダ
6 わたしは――ワタシャ
7 あなた――アンダ
8 来られない――コレナイ
9 忘れてしまった――忘れちやった
【答案】
①拗音の直音化;
②[i]の脱落;
③[e]の脱落;
④[i]の脱落;
⑤[o]の脱落;
⑥母音と半母音の脱落;
⑦[a]の脱落;
⑧母音と子音の脱落;
⑨母音と子音の脱落。
六、语音变化与现代词语中的音节构成
1次の各組の語の発音の対照を通じて、乙類の語の発音について、歴史的にどんな変化があったか説明しなさい。
【答案】
①ウ音便
②添音(長音)
③イ音便
④イ音便
⑤転音(長音)
⑥添音(促音)
⑦添音(促音)
⑧撥音便
⑨添音(撥音)
⑩連濁
⑪促音便
⑫略音
⑬音転倒
⑭連声
2次の各語に振り仮名を書きなさい。
【答案】
雨上がり(あめあがり)
雨水(あまみず)
雨靴(あまぐつ)
雨戸(あまど)
小雨(こさめ)
春雨(はるさめ)
酒癖(さけぐせ)
酒屋(さかや)
居酒屋(いざかや)
針金(はりがね)
金物(かなもの)
金具(かなぐ)
白黒(しろくろ)
白髪(しらが)
白雪(しらゆき)
小遣い(こづかい)
小僧(こぞう)
小川(おがわ)
火花(ひばな)
火影(ほかげ)
何者(なにもの)
何点(なんてん)
胸に一物(むねにいちぶつ)
胸毛(むなげ)
教える(おしえる)
教わる(おそわる)
天の下(てんのした)
天下り(あまくだり)
稲刈り(いねかり)
稲妻(いなずま)
荒れ地(あれち)
荒波(あらなみ)
身の上(みのうえ)
上積み(うわづみ)
そよ風(そよかぜ)
風上(かざかみ)
呼び声(よびごえ)
声色(こわいろ)
親船(おやぶね)
船旅(ふなたび)
爪痕(つめあと)
爪先(つまさき)
目上(めうえ)
目の当たり(まのあたり)
手拍子(てびょうし)
掌(てのひら)
木の葉(このは)
梢(こずえ)
気色(けしき・きしょく)
気持ち(きもち)
人気(にんき)
気配(けはい)
3次の各語に振り仮名を付けなさい。
【答案】
看板(かんばん)
昆布(こんぶ)
辛抱(しんぼう)
田圃(たんぼ)
探訪(たんぼう)
何遍(なんべん)
南北(なんぼく)
案配(あんばい)
千羽(せんば)
軍配(ぐんばい)
三宝(さんぼう)
満遍なく(まんべん)
安否(あんぴ)
遠方(えんぽう)
寒波(かんぱ)
金粉(きんぷん)
近辺(きんぺん)
現品(げんぴん)
憲法(けんぽう)
順風(じゅんぷう)
進歩(しんぽ)
寸法(すんぽう)
侵犯(しんぱん)
短波(たんぱ)
転覆(てんぷく)
担保(たんぽ)
南方(なんぽう)
年報(ねんぽう)
万博(ばんぱく)
分泌(ぶんぴつ)
民法(みんぽう)
綿布(めんぷ)
漫筆(まんぴつ)
乱発(らんぱつ)
隣邦(りんぽう)
腕白(わんぱく)
金本位(きんほんい)
千百(せんひゃく)
産婦人科(さんふじんか)
損保(そんぽ)
現判決(げんはんけつ)
紙袋(かみぶくろ)
金星(きんぼし)
桟橋(さんばし)
本箱(ほんばこ)
万引き(まんびき)
前払い(まえばらい)
半幅(はんはば)
4次の文章を読んで、――線を引いた箇所の言葉を丁寧な表現に直しなさい。
乗客:(おずおずと)運転手さん、市川まで行っていただけませんでしょうか。
運転手:市川?
乗客:お願いします。
運転手:行ってもいいけどよお!この時間に市川へ行くとよお、帰りは空で戻んなくちゃなんねえからな。
乗客:そこをひとつ、なんとか。
運転手:銀座へ行きゃあ、いいお客がいくらもいるからな。銀座から赤坂までで千円もくれんだもんよ。こないだなんかよお、チップのほかによ、屋台のラーメンまでとってくれてよお、世の中にゃ話しのわかったお客がいるよおなあ。
乗客:よし。それじゃぼくも、チップをはずみますよ。メーター料金のほかに千円チップを上げるよ。
運転手:そんなにたのむんならのっけてやらあ。
乗客:すみませんねえ。
運転手:(乗客の菓子箱を見て)なんだ、それは。
乗客:ケーキです。明日、坊やの誕生日でね。
運転手:偶然だよ、こりゃあ。
乗客:は?
運転手:うちの坊やの誕生日も明日でね。
乗客:あのう。
運転手:あそう、やっぱり、銀座のお客をひろうよ、おれ。
乗客:(ベそかいて考え込むが、すぐ)あげるよ。
運転手:(受け取って)これ、いくらしたい?
乗客:三百円。
運転手:おい、しみったれたことすんなよ。息子の誕生日なんだろう?今度からもっと張りこんでやれよ。
乗客:はい、気を付けます。ではぼちぼちまいりましょうか。
運転手:へえ、いい洋服着てるね。
乗客:ええ、げっぷでようやっと。
運転手:偶然だねおい。おれもげっぷで洋服こしらえようって思ってたとこなんだよ。
乗客:はあ?
運転手:おれにも似合いそうな柄だ。
乗客:き、きみい。
運転手:銀座へいこうかなあ。
(「ごろタク」『井上ひさし笑劇全集』より)
【答案】
戻んなくちゃなんねえ→戻らなくてはならない
行きゃ→行けば
くれんだもん→くれないだから
こないだ→このあいだ
にゃ→には
それじゃ→それでは
たのむんなら→たのむなら
やらあ→やろう
こりゃ→これは
すんな→するな
着てる→着ている
ようやっと→やっとのことで
思ってたとこなんだ→思っていたところなのだ
七、声调
1次の語を単独で発音した場合、アクセントが同じかどうかを調べてみなさい。また、助詞「が」をつけてみると、どうなるか。
1 絵•柄
2 名•菜
3 酢•巣
4 雨•飴
5 桐•霧•錐
6 箸•橋•端
【答案】
(各語のアクセントは◎と①で表す。)
同じ:絵①・柄◎、名◎・菜①、酢①・巣◎
同じではない:雨①・飴◎、桐◎・霧◎・錐①、箸①・橋◎・端◎
助詞「が」を付ける場合、アクセントを下がる単語:絵、菜、酢、雨、錐、箸;
助詞「が」を付ける場合、アクセントを下がらない単語:柄、名、巣、飴、桐、霧、橋、端。
2次の二音節名詞について、アクセントの型と言う点から、幾つかのグループに分けてみなさい。
歌•帯•糸•口•牛•虫•笠•池•猿•倉•蔭•川
声•霧•月•波•琴.秋•首•海•梅•泡•冬•肩
石•針•旗•花•夏•窓
【答案】
平板型:歌、口、牛、虫、霧、首、梅
頭高型:帯、糸、笠、猿、蔭、琴、声、秋、海、肩、針、窓
尾高型:池、倉、川、月、波、泡、冬、石、旗、花、夏
3一・三・四音節名詞について、型がいくつあるかを調べてみなさい。
【答案】
一音節名詞:◎型と①型
三音節名詞:◎型、①型、②型と③型
四音節名詞:◎型、①型、②型、③型と④型
4次の文章を読んで、( )の中の言葉で正しいと思うものに〇印をつけなさい。そして、 のところに適当な言葉を書き入れなさい。
東京語のアクセントについては、次のようなことを言える。
ある単語の最初の音節が高い音節であれば、次の音節は(a.高く b.低く)、最初の音節が低ければ、次の音節は必ず(a.高いb.低い)。つまり、東京語の単語はどの単語をとっても、最初の音節の高さと次の音節の高さは必ず(a.同じである b.違っている)。
次に、「いいわけ」(言い訳)を調べてみよう。この単語を東京の人々は「いいわけ」のように発音しているが、もし「いいわけ」のように発音すると_____という意味に変わってしまう。また、「ひろいもの」は_____という意味だが、「ひろいもの」のように発音するとという意味になる。つまり、一語である「言い訳•拾い物」のほうは、高い音節が連続していて、高い音節の間に低い音節は入って(a.いる b.いない)。ところが、二語である「良い訳•広い物」のほうは、高い音節と次の高い音節との間に低い音節が入って(a.いる b.いない)。即ち、東京語の単語はどんな単語をとっても、一つの単語の中に、高い音節が低い音節を中にはさんで幾つかの部分に分かれているということは(a.ある b.ない)。
【答案】
b.低く;
a.高い;
b.違っている;
良い訳;
広い物;
b.いない;
a.いる;
b.ない